【書評・要約】江戸の卵は1個400円!~モノの値段で知る江戸の暮らし~
丸田勲さん 江戸の卵は1個400円! 読みました。
丸田さんは、雑誌やテレビ番組などの海外取材・撮影やコーディネイトに関わっている写真家、文筆家の方です。
江戸史の評論家として、日本各地の取材もされているそうです。
江戸時代が始まる前の江戸は、100軒ほどのささやかな漁村だったそうです。
江戸時代後期には、人口100万人を超える、世界一の都市となりました。
識字率も70%と同じく、当時の世界一だったようです。
また、人口密度も高く、庶民は、長屋にひしめき合って暮らしていました。
江戸時代に興味のある方、江戸の生活や物価がきになる方、一緒に読んでいきましょう!
江戸の卵は1個400円! 目次は、こちら ↓
1章 江戸っ子の稼ぎ
2章 裏長屋・庶民の暮らし
3章 繁盛店のうまい物
4章 江戸のエンタメは盛りだくさん
5章 一度は行きたい伊勢参り
江戸の通貨
江戸の貨幣には、金・銀・銭 の3つがあり、ドル・ユーロ・円のように独立していたそうです。
金1両は、 銀50匁(もんめ)、銭4000文 くらいです。
1809年には、1両が、銭6400文 まで下がりました。
本書では、1両、銀65匁、銭6400文 で換算されています。
また、金1両 12万8000円 (銀1匁 2000円、銭1文 20円) です。
金銀銭は、そのまま、身分を示していたようです。
庶民は、主に銭を利用していました。
また、お店も銭を使えないところがあり、高級、上級、一般のような住み分けがされていました。
人々の暮らし
1820年くらいの記録では、大工の年収が記載されています。
銀4匁2分(8400円)と昼食代1匁2分(2400円)です。
当時は、旧暦で、354日(60日くらい休みのようです。)だったので、年収換算すると 317万5700円 です。
家賃は、家族3人が住める長屋で、年間120匁(24万円)、月の家賃は、約2万円です。
今よりは、安い感じですね^^
大工は、当時 給料のいい職業で、長屋も普通より、良いところに住んでいたようです。
おんぼろな長屋が、月8000円、普通 1万2000円 くらいだったそうです。
ちなみに、長屋は、長い建物を壁で分けたもので、声などは筒抜けで、プライベートは、ほぼなかったそうです^^;
当時の米は、通貨としての面もあり、上下していたようです。
現在の米は、10kg 3000円くらいでしょうか?
当時の米を計算すると大体、10kg 1万2000円くらいです。
給料や家賃などを考えてもかなり高く感じます。
食費は、年間 家族3人で、140万円で、エンゲル係数は、46%でこちらも高いですね^^;
(現在は、20〜30% 程度です。)
職業と給料
商家には、12歳くらいから勤められて、最初は、無給の小僧から始まるようです。
- 小僧 無給
- 手代 年収38万〜89万円
- 番頭(使用人の頂点) 年収256万〜384万円
- 大店の番頭 年収1280万〜2560万円
- 下女 年収19万〜38万円
幕府の収入は、年間 280万石 で、御家人の給料や工事費用などを差し引くと 20万石 となるようです。
1石は、1両 12万8000円 なので、256億円となります。
大奥は、幕府の金食い虫で、徳川幕府の命脈を縮めたとも言われています。
- 上臈御年寄 2280万円
- 御年寄 1600万円
- 中臈 729万円
- 表使 588万円
- 御末 89万円
一方で、最下級武士は、「3両一人扶持」と言われていたそうです。
年間3両 と 米を1日5合もらえたそうで、現在に換算すると60万円くらいです。
物の値段
みなさん、うなぎの蒲焼好きでしょうか?
当時は、1串 320円 だったそうです!
- 甘酒 160円
- こんにゃく 160円
- がんもどき 160〜200円
- たくあん1本 300円
- 納豆 80円
- なす10個 100〜200円
- 卵 100〜400円
履き物は、草鞋が、一般的でした。
- 子供用の草鞋 120円
- 草鞋 2000〜5000円
- 一般の下駄 1000〜6000円
中古屋は、昔からあったようです。
傘は、当時高級品だったようで、1万5000円くらいしたようです。
安い傘でも、5000円前後しました。
壊れた、古くなったものを 80〜250円 で買取、4000円くらいで売られていたようです。
木綿の服は、1万円以上で、中古の場合は、2000円くらいです。
銭湯のようなものも当時からあって、120円くらいで入れました。
ただ、上の階の社交場的なスペースへの入場料が、別で、320円ほどかかったようです。
床屋は、 560円くらいで、女性の髪結が、 600〜1000円 したそうです。
しかも、女性は、3〜5日に一回結っていたようです!
贅沢だということで、たびたび女髪結禁止令が出たそうです!
感想
人々の暮らしや金銭の使い道など、現代に照らし合わせて紹介されていて、楽しかったです。
江戸時代は、歴史上でも長く平和の続いた期間で、人々の充実した暮らしぶりが伺えました。
今よりも、生活に縛られることなく、お金をたくさん使って、家の壁が薄く、プライベートがない代わりに、家族のように近所付き合いをしてた感じが、目に浮かびます。
江戸っ子って、そんな感じでしょうか?
他にも学費や送料、運賃、外食費など書ききれない、江戸の価格が、満載でした^^
最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました!
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