本書について
生田哲さん よみがえる脳 読みました。
生田さんは、薬学博士で、カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カルフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の博士研究員を経てイリノイ工科大学助教授になった方で、1994年帰国後は、執筆活動をされています。
最近では、子どもの脳は食べ物で変わる を出版されています。
昔、脳は20歳を過ぎると衰えるだけだと信じられてました。
しかし、実は いつまでも 変化し続けているようです。
そして、エクササイズすること、物事に関心を向けることが脳を変えていく重要な要素のようです。
脳が変わると、頭がよくなる、うつが治るなどの効果が出てくるようです。
いつになっても、成長していけると思うと、ワクワクしますね!
目次は、こちら。
第1章 よみがえる脳
第2章 脳科学の常識が変わった!
第3章 エクササイズで頭がよくなる
第4章 エクササイズでうつが治る
第5章 想像するだけで脳は変わる
よみがえる
よみがえる脳 タイトルのように 脳は、いくらでも よみがえる ということを事例を踏まえながら、科学的根拠を示しながら、説明されています。
2001年に、アメリカで眼科医のマイケル・バーンスタインさんは、54歳にして脳卒中に倒れ、左半身不随となってしまいました。
リハビリ専門化の方にも見放され、靴紐を結ぶこと、再び眼科医として働くこともあきらめられていました。
しかし、彼は、あきらめませんでした!
CI療法(動く方の手をミットをはめ使えなくする)を週5日、2週間続けたようです。
ドミノ倒しをして、窓を拭いて、缶を移動したり、字を書いたりした結果、回復の兆候が見られました。
そして、60歳には、得意だったピアノのリサイタルを開き、ショパンのボロネーズなどを見事に弾けるようになっていたそうです!
脳卒中が、起こると、脳の神経細胞が死ぬようですが、まさにリハビリによって、よみがえったのでした。
実は、死んでしまった脳が生き返ったのではなく、健全な他の箇所が、失った部分を補ったということです。
何だか、勇気が湧いてきますね!
あきらめては、いけません!
エクササイズ
本書では、エクササイズが、脳によいと繰り返し提唱されています。
エクササイズで、頭がよくなり、また、うつから立ち直ることもできるそうです。
ネズミでの実験によると45日間エクササイズしたネズミの海馬の神経細胞は、しなかったネズミよりも15%増えていたようです。通常27万個のものが、31万7000個になっていたそうです。
(海馬は、記憶にとって重要な器官で、経験で得た情報を記憶し、必要に応じて呼び出しを行う部分です。)
また、イリノイ州のセントラル高校で、補修した生徒を授業前にランニングをする方としない方に分けたところ、ランニングしなかった方が10.7%だったのに比べ、した方の生徒は、17%も成績が伸びたようです。
その後、補修対象の生徒だけでなく、全校に取り得れたことで、常に州のトップ10の高校に入っていたそうです。
順番としては、エクササイズしてから、学習するのがよいようです。
エクササイズすると、あたらしい神経細胞が生まれます。
それが、脳の回路として定着するには、脳に刺激を与える、つまり学習することが必要とのことです。
(同時にやったり、順番が逆ではいけないようです。)
運動しましょう! そして、勉強しましょう!
食べ物をエネルギーに変換する際に、活性酸素が発生します。
肺に取り込んだ酸素のうち、2%くらいが、活性酸素になるようです。
この活性酸素は、神経細胞の膜や遺伝子を破壊するので、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALSなどの原因になると考えられているようです。
そして、エクササイズが、ここでも活躍して、脳を活性酸素から守ってくれることが、マウスを使った実験で証明されています。
1日30分のウォーキング、もしくは、1.6キロくらいのジョギングをするとよいようです。
また、エクササイズで、うつを克服する事例をあげながら、効果を説明されています。
ハーバード大学の学生を対象に行った実験では、エクササイズを1週間に3時間すると うつ になるリスクが、27%低下したようです。
逆に、バイエルン市民を対象にした実験では、エクササイズをしない場合、うつ になるリスクが、3.2倍 増加したようです。
うつ になった患者を3つのグループに分けて、効果を観察しました。
- SSRIのゾロフト(抗うつ薬)を服用
- 週3回、1回30分の有酸素運動
- ゾロフトの服用と有酸素運動(上記2つ)
結果は、3つのグループとも同程度に改善が見られたようです。
運動は、薬の服用と違い、副作用がないので、推奨されています。
うつ になると 神経回路が 断絶されるようですが、運動によって回復されることが、証明されています。
運動しましょう!
想像する
想像することで、脳が変わっていくということで、メンタルトレーニング(イメトレ)と瞑想を勧められています。
ピアノを習ったことのない人たちを4つに分けました。
- 弾き方を学んだあと、1日に2時間、5日間 実際に 弾いて練習した。
- 弾き方を学ばずに 1日に2時間、5日間 でたらめに弾いていた。
- 第一グループが学んだものを暗記したあと、ピアノの前で、曲を思い浮かべて、頭の中で弾いた。
- なにもしなかった
第一グループと第三のグループは、同程度 上達していたようです!
イメトレは、実際に練習と同じくらい効果があり、実際脳の拡大も同じように見られたようです。
また、瞑想にも脳を拡大させる効果があり、サマタ瞑想やヴィパッサナー瞑想をあげて、説明されています。
脳は環境の変化に対応し、何歳になっても絶えず変わりつづける
如何でしたでしょうか?
年齢など気にしないで、どんどん挑戦していこうと思いました!
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